Date: Thu, 2 Dec 2004 11:53:46 +0900
From: "Akira Horikawa" <who@example.ne.jp>
堀川です、こんにちは
-----Original Message-----
From: HASHIMOTO Kazuo [mailto:who@sub.example.jp]
Sent: Wednesday, December 01, 2004 6:47 PM
To: who@example.ne.jp
Subject: [ml-msde-beg:01402] Windows2000Pro で MSDE
>改めてWindows2000 Professional の使用許諾書を読んでいますが、
>10台を超えない限り大丈夫としか読めません。
>どの項目がライセンス違反にあたる文言なのでしょうか?
Windows2000 Pro版の場合、C:\WINNT\system32\eula.txt に
使用許諾契約書のテキストファイルがインストールされます。
その中の、次の部分が問題となります。
1.ライセンスの許諾
の中の、
・インストールおよび使用
の中に記述された次の文章です。
---------------ここから------------------
お客様は、10 台のコンピュータまたはその他の電子デバイス
(以下それぞれを「デバイス」といいます)を限度としてワークステーション
コンピュータに接続し、ファイルおよびプリントサービス、インターネット
インフォメーション サービス、ならびにリモート アクセス サービス
(接続の共有およびテレフォニー サービスを含む)のためにのみ
本製品のサービスを呼び出し利用することができます。
--------------ここまで-------------------
上記の内容は、Windows2000 Pro版をインストールしたコンピュータに
対して、ネットワーク接続された外部のコンピュータからネットワーク経由で
接続するときの制限を表しています。
『ファイルおよびプリントサービス』とは、Windows2000Pro版のフォルダなどを
共有設定して、ファイル共有を実現して、外部コンピュータがそのファイルの
内容を直接読み書きする機能です。
『インターネットインフォメーション サービス』とは、Windows2000 Pro版に
提供されているIIS(Webサーバー)をインストールして、Windows2000 Pro版
をWebサーバーとして運用する機能です。
この許諾があるために、IISの代わりに、Apache等をインストールすることが
できます。
『リモート アクセス サービス』とは、Windows2000 Pro版にモデム等を接続し
外部コンピュータからの接続を受け付ける機能です。
接続してきたコンピュータに対して、「ファイルやプリンタの共有」、VPNを
利用した安全な「Windowsネットワーククライアント機能」などを提供します。
上記以外の目的で、Windows2000 Pro版がインストールされたコンピュータ
に対して外部から接続する行為はライセンス違反となります。
ここで、データベースサーバー(例えばMSDE)について考えてみると、データ
ベースサーバーは、OSが提供しているネットワーク接続機能を利用して
外部コンピュータからの接続を待機しています。
OSが提供しているネットワーク接続機能には、「TCP/IPを利用したソケット接続」と
「名前付きパイプ」があります。
MSDEのソケット接続では、ポート番号1433を使います。
名前付きパイプでは、\\.\pipe\sql\query を使います。
これらの外部コンピュータからの接続機能は、Windows2000Pro版に標準で
備わっている機能です。
後から追加するオプション機能ではありません。
だから誰でも自由に使ってよいと思うのですが。。。。
ところがこれらの接続を実際に実行すると、Windows2000 Pro版の使用
許諾契約書の中に書かれている、
『ファイルおよびプリントサービス』
『インターネットインフォメーション サービス』
『リモート アクセス サービス』
以外の接続を実行したことになります。
これがライセンス違反となる理由です。
なおデータベースサービスは、「ファイル共有」に含まれるのでは?という
考えを持つことがありますが、それはまったくの誤りです。
確かにMSDEは各クライアントからの読み書きをデータベースファイルに
記録しますが、クライアントはそのファイルを「直接読み書き」しているのでは
ありません。「データベースサービス」を通して、読み書きしています。
もしデータベースサービスのような「間接的なファイル共有」を、通常の
「ファイル共有」の中に含めてしまうと、Webページのhtmlファイルを
各クライアントに表示することも許されるはずです。
この場合は、Webサービスを通してHTMLファイルを表示します。
しかしながらWindows2000 Pro版の使用許諾契約書では、「インターネット
インフォメーション サービス」を明示的に許可しているのは、データベース
サービスのような「間接的なファイル共有」を通常の「ファイル共有」の中には
含めないという意志表示に他なりません。
以上の理由から、Windows2000 Pro版には、MSDEをインストールして
データベースサービスを外部コンピュータに提供することは許されないのです。
ところが世の中には明示的なライセンス違反をしている人が多いようで、
マイクロソフト社も
http://go.microsoft.com/?linkid=612036
の中で、
--------------------ここから-----------------------
Q.Windows XP SP2 による MSDE への影響は ?
A. Windows XP Service Pack 2 により、Microsoft SQL Server Desktop Engine
("MSDE 2000") の動作に影響する可能性があります。
TCP/IP や名前付きパイプ経由、または RPC によりネットワークに接続している場
合、
Windows ファイアウォールにより、ネットワークに接続するデータベースの機能が
ブロックされます。SP3a を適用して MSDE 2000 を使用している場合は、問題は
生じません。このバージョンの MSDE では、ネットワークと SQL ブラウザ テクノロ
ジが
既定で無効になります。
-------------------ここまで------------------------
のような回答をしています。
この回答をしている方は、ライセンス使用許諾契約書をよく読んでいないように
思えます。
Windows XP Pro版のライセンス使用許諾契約書(c:\windows\system32\eula.txt)
の中にも、
--------------------ここから-------------------
お客様は、ファイルとプリンタの共有サービス、インターネットの情報サービス、
およびリモート アクセス (接続の共有およびテレフォニー サービスを含みます)
のためにのみ本製品のサービスを利用するため、最大 10 台のコンピュータ
またはその他の電子デバイス (以下各々を「デバイス」といいます) から
同時に本ワークステーション コンピュータに接続することができます。
接続数をプールまたは統合する「マルチプレキシング」またはその他の
ソフトウェア、ハードウェアを利用する場合であっても、間接的な接続数が
上記の 10 台という制限を越えてはならないものとします。
下記に明記された NetMeeting、リモート アシスタンス、およびリモート
デスクトップ機能によって許可されている場合を除き、お客様は、
デバイスに本製品用の別途のライセンスが付属していない限り、本製品を
使用して、本ワークステーション コンピュータ上のその他の実行可能
ソフトウェアをデバイスで使用、アクセスまたは表示することを許可したり、
本製品または本製品のユーザー インターフェイスをデバイスで使用、アクセス、
または表示することを許可することはできません。
-------------------ここまで--------------------
という条文が存在します。
上記から、MSDEなどのデータベースサービスを外部コンピュータに
提供してはいけないことがわかります。
しかしながらマイクロソフト社のQ&Aを見ると、
-----------------------ここから------------------
TCP/IP や名前付きパイプ経由、または RPC によりネットワークに
接続している場合
-----------------------ここまで------------------
という文面は、明確なライセンス違反となります。
本来ここの回答は、
--------------------ここから------------------
WindowsXP Pro版では、ネットワーク経由で外部コンピュータに対して
MSDEのデータベースサービスを提供することは許されません。
スタンドアロンで運用してください。またスタンドアロン運用時では、
MSDEが提供しているネットワーク接続プロトコルは「TCP/IP」や
「名前付きパイプ」ではなく、「共有メモリ」にして下さい。
共有メモリ接続であれば、Windowsファイアウォールには影響されません。
--------------------ここまで-------------------
と、なるべきです。
以上のことからわかるのは、マイクロソフト社の関係者が使用許諾契約書の
内容を誤って解釈していることを、一般ユーザに守らせることには、無理が
あるように思えます。
使用許諾契約書の内容を変更する必要があるように思えます。
しかしながら、現状の使用許諾契約書を守るのが私たちの義務なので、
Windows2000 Pro版やWindowsXP Pro版にMSDEをインストールして
データベースサービスをネットワーク接続したクライアントに提供するのは
止めましょう。
必ず Windows2000/2003 Server を使います。
なおサーバー版OSの費用を節約したい場合は、
Sybase ASE Express Edition for Linux
http://www.sybase.com/linuxpromo
という方法もあります。
SQL言語もMSDEとほとんど同じ文法のTransact-SQLです。
もともとマイクロソフト社のSQL Serverは、Sybase社が開発していた
データベースサーバーを利用したのが始まりなので、そのSQL言語
には互換性があります(但し独自拡張した部分は、方言のため使えない)。
------------------------------------
(株)日本技術ソフト開発
堀川 明 (Akira Horikawa)
12月02日(木曜日) 11時52分記
mailto:who@example.ne.jp
http://www.horikawa.ne.jp/msde/
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